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精神安定、緊張緩和、ストレス緩和、魔除け |
白檀(びゃくだん)はインドネシア原産で、インド・マレーシヤで栽培されている、ビャクダン科の半寄生常緑高木です。
インドでは昔から、暑さで遺体が傷みやすいため火葬の習慣があり、沈香・白檀などの香料を燃やし、もうもうとした香煙の中で晴れ晴れと死者が天に昇れるように祈りました。
このような習慣がインドに誕生した仏教に影響を与え、仏像や先祖の霊の前で香を炊くようになったといわれています。

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平安時代の貴族たちの楽しみの1つに、香がありました。和歌を綴った
短冊に焚き込め、匂いを移したこともあったといいますから、いうなれば
“香りつきの恋文”だったのでしょう。戦国時代になると茶の湯と並び、
香は武将たちにも嗜まれます。さらに江戸時代には将軍家や大名家、また
遊郭にも流行っていったそうです。徳川家康は、東南アジアから香木を
熱心に集め、中でも伽羅(きゃら)を好んだことが伝えられています。主に
東南アジアを産地とするジンチョウゲ科の常緑樹で、土に埋もれた樹木が
腐敗した後に、残った樹脂が固まったものです。沈香の中の最も秀逸な
ものとされます。
たいへん貴重で高価な伽羅は、同量の黄金と取り引きされたそうです。
最高級の伽羅となると、現在でも1グラムで1万円にもなるものがあると
いいますから、純金をはるかに上まわる価格です。伽羅には及ばずとも、
白檀もまた古くから好まれてきました。インドからマレー半島が産地で、
香料用の他、薬用としても使われたようです。仏像彫刻にも用いられて
います。インドのマイソール地方のものを“老山白檀”といい、最高の
品質を誇ります。
洋風の香水や、オー・デ・コロンとは趣の異なる匂いの香木ですが、
意外にも香水の素材に使われることは多く、その他の香料と調合され、
数々の“作品”が生み出されています。