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2017/5/15 月曜日

刃物

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:47:36

どうにもこうにも気の合わない、ギクシャクした状態のことを『反りが合わない』といいます。

『反り』とは、書いて字のごとく『反っていること』ですが、本来は“太刀”“刀”“脇差”“短刀”などの刀剣類に使われる表現です。
これらの刀剣類の湾曲部分が『反り』で、【鋒:ほこ】の先端と【棟区:むねまち】を結ぶ直線と、刀身との距離の最大のところの呼び名です。
刀身の『反り』は、1本 1本 すべて異なるため、【鞘:さや】も それぞれの刀身が きちんと収まるものを作ります。
つまり刀剣類というのは、他のものの鞘には決して合わないのです。

このことから、気心が合わない、しっくりいかないといった、収まりの悪い間柄を『反りが合わない』というようになりました。

江戸時代初期にできた【戯言養気集:ざげんようきしゅう】の上巻に、
「反りが合わぬ所あるを見るにつけても…」
との記述があり、その頃から すでに『気心が合わない』という意味で用いらていたようです。

その一方で、『気心が合うこと』を『反りが合う』ともいいます。
この表現は江戸時代中期の滑稽本の中に見られますが、次第に使われることが少なくなっているせいか、近年では『反りが合わない』という語句に較べて見聞きする機会が減っているかもしれません。

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