» 2016 » 8月

2016/8/22 月曜日

履物不要

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:27:09

夏の風物詩の ひとつに、怪談があります。
『怖いもの見たさ』とは よく言ったもので、このテの話は怖くなければ人々の関心を引きません。

そのような背景からでしょうか。
昔から小説、映画、芝居、絵画といった具合に、あらゆるジャンルで幽霊が登場してきました。
《四谷怪談》 《番町皿屋敷》などは、それぞれ最も有名な怪談として知られています。
西洋でも、シェイクスピアの《ハムレット》に幽霊は欠かせません。

日本と欧米では、定番となっている幽霊の見目形に大きな違いがあり、その点は なかなか興味深いものです。

欧米の幽霊には脚があるのに対し、日本の幽霊には脚がありません。

実は、元禄年間(1688年〜1704年)までの幽霊画には脚が描かれていました。
脚が描かれなくなったのは江戸時代中期以降です。

江戸中期の画家、円山応挙が描いた脚のない幽霊画が迫力に満ちて、見る者をゾッとさせるほどの薄気味悪さだったことから、幽霊画といえば応挙の“脚のない幽霊”というイメージが定着し、それに倣った姿で描かれるようになったのだといいます。
応挙の幽霊画は、現在も たいへん人気があり、真筆画は高額で取り引きされるほどです。

応挙に倣ったからといって、必ずしも応挙に比肩する幽霊画を描けるわけではありませんが、流行は単なる流行に終わらず、すっかり『幽霊には脚がない』ことになってしまいました。
白い死に装束と額の三角の布も、この時代以降の“幽霊の衣装”として頻繁に芝居で用いられたため、いつのまにか広まって定着したのだそうです。

2016/8/8 月曜日

棘と毒

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:10:58

暑い夏を彩る花の1つ、インドを原産とするキョウチクトウ(夾竹桃)は、可愛らしい桃のような見た目と乾燥や大気汚染などにも比較的強いことから、観賞用の庭木や街路樹として植えられています。
桃に似た花と竹に似た葉から、【夾竹桃】という字が当てられたということです。

ところが、この一見 可愛らしいキョウチクトウは毒性を持ち、『危険』 『用心』などの花言葉が つけられているのです。

フランス兵がスペインに進軍した際、フォークがわりにキョウチクトウの茎を使用し、7名の兵士が死亡してしまったという例があります。
(バーベキューの串に用いたという説もあります)
日本でも箸のかわりに使い、死者が出てしまった記録が残っているそうです。
中毒症状は、食欲不振、嘔吐、下痢、頻脈などです。

その反面、有毒植物は薬用植物として利用されることも多く、キョウチクトウも古くから強心作用や利尿作用をもった生薬として役立ってきた事実も否めません。
ジギタリス、スズランをはじめ、可愛らしい花でありながら、実は有毒成分を持つ植物は意外と多いものです。

よく『美しいバラには棘がある』といいます。
それに倣うなら、『可愛らしい花にも毒はある』といったところでしょうか。

次のページ »