» 2016 » 5月

2016/5/23 月曜日

イケメン

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:22:24

見目形の優れた、いわゆる顔立ちの良い男性の呼称として、今どきは すっかり『イケメン』という表現が定着しています。
伝統的な表現として、他にも『ハンサム』『美男子』『色男』『二枚目』などがあります。

この『二枚目』という表現は歌舞伎の看板に由来するものです。
元々歌舞伎の公演では、一座の中心をなす役者を8枚の看板にして小屋の前に掲げるしきたりがあり、“〜枚目”というのはその看板の順番を表す言葉でした。
客は看板を見て贔屓の役者が(その公演で)どのような配役なのかを、知ったわけです。

8枚の看板には決まった順番がありました。
『一枚目』には一座で最も人気のある役者。
『二枚目』には恋愛物で色男役を演じる役者。
『三枚目』には『半道敵』と呼ばれる道化役。
そして、『中軸』『敵役』『実敵』『実悪』『座頭』と続きます。

二枚目に掲げられる看板が色男役であったところから、いつのまにか女性から好まれる顔立ちの良い男性が『二枚目』と言われるようになっていったのです。
『色男』というのは、恋愛物を演じる二枚目看板の役者が顔に白粉を塗っていたところからきています。

また多くの演目で、『二枚目』は“見た目は良いがどこかなよなよしていて頼りがいには欠ける”ような役どころだったせいで、
「色男、金と力は なかりけり」
と揶揄される傾向があったのです。

二枚目看板の役者が実際にイケメン揃いだったかどうかは、定かではありません。

2016/5/9 月曜日

危機管理

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:41:47

秘伝の書は一般に《虎の巻》と呼ばれています。
これは古代中国・周の兵法書【六韜:りくとう】第4巻の《虎韜:ことう》を語源としたものです。

『韜』には『ゆぶくろ』という読み方があり、そのまま『弓袋』つまり弓をしまっておく袋を意味します。

《文韜》《武韜》《竜韜》《虎韜》《豹韜》《犬韜》の6巻で構成された【六韜】は、周の武王が問い、功臣・太公望の呂尚が答えるという形式の兵法書で、軍事のみならず、政治や倫理まで多岐に及ぶ書です。

人を恐れない勇猛果敢な動物として好まれた虎にちなみ、《虎韜》には“危機に直面した際の対処法”が書かれていたのです。
時代が下がり、戦国時代の日本でも《虎巻之法》を学んでいたことは有名で、この《虎之巻》は毘沙門天の絵と一緒に全国へ配付されていたといいます。
【義経記:ぎけいき】によると、京都の鞍馬寺には中国から伝えられたものを坂上田村麻呂、藤原利仁、平将門などの面々が読み伝えたといわれる《鬼一法眼兵法虎之巻》が あるそうです。

中国伝来の兵法の秘伝《虎韜》は、日本で《虎の巻》と呼ばれるようになり、現代では学生の参考書にまでその呼び名が波及しています。
授業や試験で危機に陥らないためと考えるなら、それもまた《虎韜》の意味合いに通じるといったところでしょうか。

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