» 2012 » 1月

2012/1/23 月曜日

縫い目を観察

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:15:40

生活様式の変化から、最近では和室のない家、あっても(カーペットなどを敷き)本来の和室としての使い方をしていない家も増えています。
そういった背景のためか、すっかり出番が減ってしまった“道具”の 1つが座布団で、“正しい使い方”(?)も忘れられつつあるようです。

座布団には“前”と“後ろ”、“表”と“裏”が あります。
通常、座布団は正方形をしていますが、これは 1枚の長方形の布を 2つ折にし、袋状に縫い、綿を詰めます。
したがって 3辺に縫い目ができ、折った部分の 1辺だけは縫い目がない状態に仕上がります。
この“縫い目のない辺”が座布団の“前”ということになるのです。
来客用に あらかじめ置いておく場合も、目の前の客に勧める場合も、客の膝の位置に座布団の“前”を合わせるようにします。

こうして考えると“前”と“後ろ”を判断するのは簡単です。
少々観察しないと わかりづらいのは“表”と“裏”でしょうか。

2辺をミシンで縫って袋状にして中に綿を詰めた後、残る 1辺を手縫いで閉じるため、片面の布を もう片方の布に かぶせて縫います。
“かぶせてある面”が“表”です。

かつて僧侶が使用した“蒲の葉を乾燥させて渦巻状に編んだ円座”が座布団の起源で、それが細かく切った蒲の葉を布の袋に詰めたものへ形状を変えていきました。
蒲の葉の代わりに綿を詰めた座布団が登場したのは、江戸時代になってからだといいます。
自分の使っていた座布団を他の人に勧める際、裏返しにする必要はありません。
元々“表”と“裏”が決まっているものだからです。
手で払うようにしてシワを伸ばし、そのまま勧めれば良いというわけです。

2012/1/10 火曜日

長寿

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:22:17

アマダイ、イシダイ、クロダイ、『タイ』と名の付く魚は多いものですが、日本人が一般に『鯛』と考えるのはマダイ(スズキ目・スズキ亜目・タイ科)でしょう。
『めでたい』という語呂合わせからも、祝いの膳には欠かせない魚です。
魚類としては長命で、40年ほど生きる個体もいます。
縄文時代から食べられていたと推定されていますが、この時代から『めでたい魚』だったか どうかという点については不明です。

たいへん古くから食べられていたマダイながら、魚の王様として君臨したのは江戸時代になってからのことでした。
元禄年間に中国から入ってきた【本朝食鑑 : ほんちょうしょくかがみ】には、
「鯛は魚類の第一のもの」
と記され、祝いの席には干鯛が たいへん喜ばれたようです。

室町時代まで、最高位の魚とされてきたのは鯉だったといいます。
特に内陸地の京都では新鮮な海の魚を手に入れることは難しく、身近な川魚であり、比較的楽に飼育(養殖?)できた鯉がもてはやされていました。
面白いことに、ハンガリーにも“鯉のビール煮”のような料理があります。
あまり魚料理は見られない東欧で、アジアにルーツを持つとされるハンガリーに鯉料理があるというのも、なかなか興味深い事柄です。

現代も広く使われる『海老で鯛を釣る』という諺ですが、実際に海老を餌にして育った鯛は鰯で育った鯛よりも美味しいのだそうです。

最後に1つ。
鯛の天然ものと養殖ものの決定的な違いを紹介しておきましょう。
養殖ものは全体的に黒っぽい。
これは人間の日焼けと一緒です。
養殖場は海に較べて『浅い』ため、どうしても紫外線を浴びる量が天然ものより増えてしまうからです。

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