» 2008 » 2月

2008/2/12 火曜日

瓶入り

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:52:57

アレクサンダー・ノーウェル。 釣り好きな、16世紀後半のプロテスタントの牧師ですが、日本では殆ど知られていません。
しかし彼の発案ともいうべき 【ある品物】 は、今では世界中に広まっています。

イングランドではプロテスタントの迫害が加速していった時代、メアリー1世は とうとう1555年に『イングランドのプロテスタントを根絶せよ』との命令を下しました。
ヘンリー8世とキャサリン・オブ・アラゴン(最初の王妃)の娘であり、熱心なカトリック信者であったメアリー1世は、300名ものプロテスタント指導者を処刑したことから“ブラッディー・メアリー”の異名をとったことも有名です。

公職を追放されて有閑の身となったアレクサンダー・ノーウェルは、ビールでも飲みながら釣り三昧の日々を過ごそうと思ったのか、樽に貯蔵されていたビールを瓶に移し替えたのです。
現在ではステンレス・タンクが主流ですが、元々ビールは樽で仕込みます。
アレクサンダー・ノーウェルは、携帯用の容器として『取りあえず』瓶に移し替えたわけです。
そこへメアリー1世の追っ手が彼を逮捕しにくるという知らせが舞い込み、釣り道具を植え込みに隠し、フランスに亡命しました。

1558年11月にメアリー1世が亡くなった後、危険は去ったと考えたアレクサンダー・ノーウェルはイングランドへ帰国しています。
釣り道具を置いていった場所に戻ってみたところ、ビールを詰めた瓶も そのままになっていたといいます。
興味半分に瓶を開けようとすると、栓が勢いよく飛んでいき、中のビールが樽から詰め替えたときよりも美味しくなっていました。
ビールの“瓶内発酵を発見した瞬間”です。
以降、単なる携帯目的ではなく、瓶内発酵を目的に瓶への詰め替えが行われるようになりました。

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