» 2007 » 10月

2007/10/9 火曜日

ウィーン生まれ

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:14:24

サクサクの食感が好まれるクロワッサンは、
中国標準語で【羊角麺包 / ヒツジの角のパン】
広東語では【牛角包 / ウシの角のパン】と呼ばれます。
そのように呼ぶと、フランス語の【Croissant / 三日月】とは ずいぶん印象が違ってきます。

このパンの原型は、ハプスブルグ家の女帝マリア・テレジアの娘で、ルイ16世の妻となった、フランス王妃マリー・アントワネット(マリア・アントニア)に所縁があります。
彼女がオーストリアから連れてきたパン職人の手によるものだったのです。
クロワッサンのルーツは、意外にもオーストリアということになります。

しかし三日月の形になったのは17世紀後半で、マリー・アントワネットが生まれる以前のことです。

当時、絶大な勢力を持っていたオスマン・トルコはヨーロッパにも進出し、ウィーン陥落を狙っていました。
地下の工房で作業中だったパン職人が、あるとき不信な物音に気づき、オーストリア軍へ通報したところ……。
その物音はオスマン・トルコ軍が奇襲作戦のためにトンネルを掘っている音だったというのです。
オスマン・トルコ軍の奇襲は失敗し、オーストリア皇帝は そのパン職人の功績を称えて利権をあたえ、優遇措置を取ったそうです。
敵の象徴を喰ってしまおうということから、パン職人はトルコ国旗に描かれた三日月と同形のパンを作り、返礼として宮廷へ献上しました。
『敵に勝つ』の語呂合わせで、ビーフステーキ(ビフテキ)やトンカツを食べる高校球児のゲン担ぎのような話ですね。

クロワッサンが現在のようなサクサクとした食感のパンになったのは、1920年代になってからだといいます。
17世紀後半には、どうやら“三日月の形をしただけのパン”だったようです。

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