» 2007 » 9月

2007/9/25 火曜日

こっそりと

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:52:14

機織りに精を出していた かつての農村の主婦たちが、余った糸を利用して自身の衣服を作ったのが語源とされる『へそくり』
『へそくり』の『へそ』は臍ではなく、麻の繊維を縒り合わせて作る糸のことだそうで、『へそくり』の『くり』は『繰る』から発生した語句だといいます。

貨幣経済の発達と共に、いつの頃からか、家計をやりくりして浮かせた分を内緒で貯めたものが、そう呼ばれるようになりました。
かつては相続権や財産分与などが認められていなかったばかりか、日頃の小遣い銭にさえ事欠いた“妻” “嫁”の、ささやかな私財だったのです。

石川県 舳倉島の海女たちには、普段の働きの分は家計を維持していくためのもの。
ただし休日に海へ潜って得た収獲分は自分のものという決まりがあり、彼女らは そのように休日返上で働いた稼ぎから自身のものを買い、また、実家に酒や金を贈ったのだそうです。

「もう1万円。 いや、5千円で かまわないから」
などと、妻に小遣いの値上げ交渉に挑んでいる夫のほうが、現代では こっそり『へそくり』を貯めるための苦心をしているのかもしれません。

2007/9/10 月曜日

Hey you !!

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:14:09

第二人称、つまり相手へ呼びかける表現に、『君』 『おまえ』という言葉があります。
自身と対等、もしくは目下の者に使いますが、元々『君』は君主を、『おまえ』は御前を意味する、目上の相手への丁寧な言葉だったのです。
『君』 『おまえ』以上に位置づけが変わってしまったのが『貴様』です。
相手を罵倒するようなとき、
「おまえ、それでも人の血が通っているのかッ!!!」
と言うよりも
「貴様、それでも人の血が通っているのかッ!!!」
と言ったほうが、より強い調子が感じられます。
貴も様も敬意を表す語句でありながら、『貴様』になると まったく意味が異なります。

『貴様』も、発生当初は敬意を表す品格を持った言葉だったといいます。
中世末から上流社会に発生した言葉で、武家の書簡に使われていたそうですが、次第に口語化が進み庶民の間へ浸透していきました。

明和・安永期(1764年~1781年)には軽い敬意も含んでいたものの、文化・文政期(1804年~1830年)には対等な者への呼びかけに変化した様子です。
近世末以降は上流階級では まったく使われなくなり、現在に至っては殆ど卑称のような位置づけになっています。

現代の日本語には目上の者に対する正式な呼称がありません。
目上の者へは第二人称を省略し、
「どちらまで行らっしゃいますか」
などと言うのが適切だとされています。

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