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2007/3/12 月曜日

綺麗な爪

Filed under: 未分類 — アートメモリー @ 0:52:58

《和漢三才図会》(わかんさんさいずえ)によると、後漢時代に蔡経なる男のところへ十年ぶりに師匠の王遠が訪ねてきました。
この王遠は神であり仙人でもある、神仙ということになっています。
なにを思ったのか、王遠は
「蔡経の家に来ているのだが、久しぶりに会いたい」
と言って、美女の仙人・麻胡(まこ)を呼び寄せます。
美しい麻胡の爪を目にした蔡経が、つい『この爪で背中を掻いてもらったら、さぞかし気持ちが良いだろう』と考えたところ、王遠から叱責されたというのです。

これが中国の故事《麻胡掻痒:まこそうよう = 麻胡を雇いて痒きを掻く》の あらすじです。

また、唐の杜牧の詩には、『愁いがきたとき、杜甫や韓愈などの詩人や文学者の書物を読むと、麻胡に痒いところを掻いてもらうかのようだ』と謳われています。

これが、“孫の手”の原典なのです。
孫ではなく、元々は麻胡だったというわけです。

『美女の仙人に背中を掻いてもらいたい』と願望を抱かせるほど、麻胡は美しく、現代のネイルアートよろしく綺麗な爪をしていたようです。
現在、百円ショップでも簡単に手に入る“孫の手”を見たら、この美女の仙人・麻胡は、クレームをつけるかもしれませんね。

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