白檀 仏像


白檀 栴檀などの壇木を素材に用いて作られた仏像を壇像【だんぞう】という。

白檀 仏像の貴重性
素材が仏像の価値・利益を決定するという観点では、古来よりご神体としての霊木や、資材そのものに霊性を持つとされていた壇木(白檀)は重視されている。
仏像の起源説話から、白檀は沈香・丁子・鬱金・竜脳と並ぶ五香の一つとして珍重されることから、また緻密な彫刻が可能な堅木であるという特性からも、白檀 仏像は貴重であり広く愛され尊ばれている。
『栴檀は双葉より芳し』といわれる栴檀は、白檀の別称。
古くから香りの良い木として知られる白檀は、その香りの気高さからも、仏像の素材に多く用いられており、
香木の特性を際立たせるため、装飾には金泥書や切金などの仕上げを施している。

壇像
白檀彫りの仏像は素材の持つ香りや風合いを生かすため、金箔や彩色のような全体を覆い隠す仕上げは施さず、素地が基本。
装飾には、金泥書(金粉をニカワ液で泥状に溶かしたものによる線書き)、切金(のばしひろげて細かく切った薄い板状の金を貼りつける)という技法が用いられる。

総白壇 六角台座 座釈迦 唐草御光 2.0号
総白壇 六角台座 座弥陀 唐草御光 2.0号
総白壇 六角台座 座釈迦 唐草御光 2.0号
総白壇 六角台座 座釈迦 唐草御光 2.0号
総白壇 六角台座 座釈迦 唐草御光 2.0号
壇像【だんぞう】の伝説と経典
インドで香木から像が造られた伝説
釈迦が亡き母 摩耶夫人【まやぶにん】への報恩のため三ヶ月間不在にしていたとき、釈迦を思慕するコーサンビーのウダヤナ(優填【うでん】)王は釈迦の像を作らせた。この釈迦像は栴檀製のものだと伝えられる。
京都・清涼寺の釈迦如来立像は、ウダヤナ王 以来の三国(インド・中国・日本)伝来の伝承をもつ。
仏像の起源説法では、黄金とともに栴檀の木で像を作ったのが仏像の始まりとされている。
経典上の規定
仏説十一面観世音神呪経【ぶっせつじゅういちめんかんぜおんしんじゅきょう】では、檀木(白檀 栴檀など)で作るように規定される仏像もある。
しかしながら南方産の壇木・香木は北アジアでの生育が困難なため、経典には榧【かや】の木を代わりとして用いることが記されている。
榧(あるいは栢)はイチイ科の常緑針葉樹で、碁盤の素材としても利用される。

日本に現存する中国唐時代の著名な壇像
法隆寺:九面観音像(国宝) 金剛嶺寺:枕本尊(国宝)
   
輸入の壇木に日本で彫刻を施した著名な壇像
京都・峰定寺:千手観音像(重文)  
   
壇像を意識して作られた著名な像
奈良・室生寺:弥勒菩薩立像(重文) 奈良・霊山寺:十一面観音立像(重文)
   
白檀【びゃくだん】sandalwood
ビャクダン科の半寄生常緑高木。インドネシア原産で、インドやマレーシアなど東南アジアの熱帯地方で栽培されている。
日本では香木が生育しないため、白檀はすべて輸入品。
常夏の国では多種多様の芳香植物が豊富にあり、インドの裕福な階層の家庭では古くからリフレッシュ感・清潔感を得るため、入浴やマッサージなど、生活の中に“香り”が取り入られていた。
死者を弔う火葬の際も沈香や白檀などの香料を焚き、たちこめる香煙の中で死者が晴れ晴れと天に昇れるように祈る。
このような習慣はインドに誕生した仏教に影響を与え、仏像や先祖の霊の前で香を焚くようになったといわれている。
香木
漢訳辞典では、材の木肌の色(壇色)によって壇木を三種に識別。
赤色
赤栴檀【しゃくせんだん】または牛頭栴檀【ごずせんだん】
黒色
紫壇
白色
白檀
  心材は黄白色で芳香が強く、黄壇と呼んで上等とされた。
《日本書記》によると594年、淡路島に長さ2メートルの香木が漂着し、島民が薪代わりにかまどの火の中に投げ入れたところ芳香を発しため、この木を宮中に献上したと記されいる。
《聖徳太子伝歴》ではこの故事にふれ、『聖徳太子がその献上された木をすぐに沈香木と見分け、この一部で仏像を彫り、残りを法隆寺に納めた』とある。この沈香は607年に法隆寺の建立と共に奉納された、日本最古の香木“法隆寺”として知られる。


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